弁膜症は心臓病の大きな分類の1つです。心臓の解剖に関わる事で、なかなかイメージしずらいと思いますので、身近なものを例えに使いながら解説したいと思います。
本記事の内容のダイジェストは1分間の動画でまとめています。
弁膜症とは?
「べんまくしょう」と読みます。
弁膜症は心臓の中にある”弁”の病気のことです。
心臓は血液を全身に送るポンプの働きをしていて、血液は動脈を通って全身に流れていきます。
その経路は一方通行であり、スムーズに同じ方向に流れていきます。
同じ方向にのみ血液を流すためには、逆流を防止する必要があり、そのために”逆流防止弁”が取り付けられています。
実は血管にも一定の間隔で逆流防止弁がありますが、心臓の中にあるのが、心臓弁です。
この逆流防止の機能は、動物園や遊園地の出口などにある一旦出るともう戻れなくなるゲートの仕組みに似ています。
一方通行で逆行はできません!
弁は使えば使うほど劣化していきますが、特に心臓は収縮に伴い高い圧がかかります、心臓弁にかかる負担は相当です。
劣化の結果、起こり得る変化は2パターンです。
①一方通行しか許さなかった弁の機能が弱くなり、逆流し始める
②弁が固くなり狭窄化する。
遊園地でのゲートの例で例えると、
①ゲートが前にしか回らなったのに壊れてユルユルになり後ろ向きにも回るようになってしまう状態
②長年ゲートを使用したことで、錆やゴミが付いたりしてゲートの回転が渋くなってしまっている状態
です。
逆流してしまう人が出ても、ゲートの回転が渋くなってもゲートの部分で混雑が起こり、不具合が起こりますよね。
弁膜症とは、逆流防止の役割を果たす心臓のゲートである心臓弁の故障の事で、一方通行のはずの血流の渋滞の元になる病気です。
弁膜症を放っておくと
経年劣化で壊れたゲートは放っておくとどうなりますか?
ユルユルになってしまったゲートはさらにユルユルになりますよね。
最終的にはクルクル回る程になってしまい、ゲートの役割は全くはたせなくなりそうです。
渋くなったゲートはどうでしょうか?力づくで使えば使い続ける事はできるかもしれませんが、かなり疲れそうです。
使えば使うほど、通る人は疲労していきますし、いったん固くなったゲートに力を入れすぎるとさらに壊れてしまうかもしれません。
いずれにしても故障したゲートを使い続けるとさらに状況を悪化させるため、早めに修理が必要そうです。
これは、弁膜症にも言える事です。
心臓は一日に10万回拍動しています。つまり、心臓弁は1日に10万回使われているのです。
どんどん劣化が進む前に、治療が必要です。
弁膜症は放っておくとどんどん進行する。いったん故障してしまったゲートが自然に治る事がないのと一緒です。
弁膜症は治るのか?
故障したゲートは薬で治るでしょうか?
固くなったゲートは油で多少良くはなるかもしれませんが、効果は限定的でやはり部品を新しいものに交換したり、場合によってはゲートごと取り換える必要がありますよね。
弁膜症でも同様です。
弁膜症は心臓弁自体の変化があって機能が損なわれている状態ですので、薬をのんでもなかなかよくなるものではありません。
ただし、医学の発展で心臓弁という部品を取り換えたり、修理をしたりする手技が発展しているので、治す方法はありますし、どんどん治療法は発展しています!
医師に相談して定期的な状態管理、そして適切な時期の治療介入が重要です!
また、傷まないように大事に使う事も大切です。
高血圧にならないように、適切な運動や生活習慣を身に付ける事で、心臓弁に負担を軽くしながら大事に使い続けることができます。
弁膜症を治す治療はあります!病院で定期的な状態管理を行い、必要があれば手術なども考慮が必要です。
心臓弁を大事に使うためには、高血圧にならないように、適切な運動や生活習慣を身に付ける事は重要です。
まとめ
- 弁膜症(べんまくしょう)は心臓の逆流防止弁である心臓弁の病気です
- 心臓弁が故障して血液の逆流を起こしたり、弁の固くなり狭窄化したりします
- 弁膜症と言われたら、病院で定期的な状態管理を行い、必要があれば手術なども考慮が必要です。
- 心臓弁を大事に使うためには、高血圧にならないように、適切な運動や生活習慣を身に付ける事は重要です。
今後、個別の弁膜症についても読み方から解説していきます♪