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【専門医徹底解説】BNPとは?正常値、基準値、下げる方法まで

心臓病の診療において欠かせない血液検査の指標である「BNP」。この記事では、BNPとは何か、正常値や基準値の考え方、そしてBNPの値を下げるための方法について循環器専門医が執筆します。

今回の内容はYoutubeでもまとめていますので、動画の方が理解しやすい方はこちらも参考にしてくださいね。


BNPとは?

BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は、心臓の負荷を評価するための重要な指標です。具体的には、心臓内の圧が高くなるとBNPの値が上昇するため、心臓がどれだけ負荷を受けているかを知ることができます。心臓の圧が上がると、心不全のリスクも高まるため、BNPの値を定期的にチェックすることが重要です。

また、似た指標としてNT-proBNPがあります。これはBNPとほぼ同じ解釈ができる検査値ですが、病院によってどちらを採用しているかが異なります。一般的にはNT-proBNPの値はBNPの約6倍とされており、両者の値を比較する際の目安になります。

なお、BNPは健康診断では通常測定されません。心疾患の疑いがある場合や、すでに心疾患を持っている方の診断・経過観察のために測定されることが多いです。心臓の状態が気になる方は、循環器内科を受診し、医師に相談するのが良いでしょう。


BNPの正常値・基準値

BNPの正常値は18pg/mL以下、NT-proBNPの正常値は55pg/mL以下とされています。この範囲内であれば、心不全の可能性は低いと考えられます。

しかし、BNPの値は個人差が大きく、単純に「高い=危険」と判断するのではなく、個々の基準値を把握することが重要です。例えば、腎機能の低下や体格の違いによってBNPの値が変動するため、過去の測定結果と比較しながら経過を追うことが大切です。

また、

  • BNPが100pg/mL以上
  • NT-proBNPが300pg/mL以上

となると、心不全の可能性が高くなるため、精密検査や治療が必要になる可能性があります。


BNPを下げるには?

BNPの値を下げるためには、心不全のリスクを減らすことが必要です。具体的には、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

1. 水分・塩分の制限

心不全の悪化を防ぐために、水分と塩分の摂取を適切にコントロールすることが重要です。

水分制限

過剰な水分摂取は血液量を増加させ、心臓に負担をかけます。季節によって適切な水分量は変わるため、体重を定期的に測定しながら水分摂取量を調整しましょう。

塩分制限

塩分の摂取が多いと、体内の水分量が増加し、血管が水分でパンパンになります。推奨される1日の塩分摂取量は6g未満とされています。1食あたり2g未満を目安にしましょう。

2. 適度な運動

心不全の患者さんでも、適度な運動を行うことが推奨されています。運動をすることで、

  • 心不全による再入院リスクが39%減少する
  • 死亡率の低下が期待できる

というデータもあります。

ただし、運動は「弱すぎても効果がない」「強すぎると心臓に負担をかける」ため、中強度の運動を意識することが重要です。

例えば、

  • 軽いウォーキング
  • ストレッチ
  • 自重トレーニング

などが適しています。

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まとめ

  • BNPとは:心臓の負荷を評価する重要な指標で、心不全の診断や経過観察に役立つ。
  • 正常値・基準値:BNPは18pg/mL以下、NT-proBNPは55pg/mL以下が正常値。ただし、個々の基準値を把握することが重要。
  • BNPを下げる方法:水分・塩分の摂取を適切に管理し、適度な運動を行うことで心不全のリスクを低減できる。

BNPの値が気になる方は、食事や運動習慣を見直し、必要に応じて医師に相談してみましょう。この記事が参考になった方は、ぜひシェアやコメントをお願いします!