【講演報告】カテーテル実物を用いた循環器病研修に代表の丸目が登壇|受講者123名、96%が「職場で役に立つ」と回答

講演概要

  • 講演日:2026年7月16日
  • 形式:臨床医学研修(2026年度 第1回・オンライン配信)
  • 講演時間:約90分
  • 受講者数:123名(医療事務・診療報酬請求業務に従事される皆さま)
  • タイトル:レセプト入力が楽しくなる循環器病入門
  • 講師:丸目 恭平(循環器専門医、国立循環器病研究センター心臓血管内科 非常勤医師、元厚生労働省 循環器病対策専門官、福岡大学 客員准教授、熊本大学 客員助教/株式会社Doctock 代表取締役)

今回の研修は、レセプト点検や算定業務に日々携わる医療事務の皆さまが、「病名や手技の背景にある医学」を理解したうえで業務に臨めるようになることを目的として開催されました。丸目は「①主な病気の治療の流れを知る」「②主な手技などの違いを知る」「③レセプト入力を通して、医療に参加できるようになる」の3点を本セミナーの目標として掲げ、循環器専門医としての臨床経験と、厚生労働省での政策・診療報酬に関わった経験の双方を踏まえて解説しました。

講演内容

研修では、循環器領域で算定機会の多い3疾患を軸に、「どんな病気か」→「入院治療の流れ」→「使われる手技・デバイスの違い」という一貫した流れで整理しました。

1)急性心筋梗塞 冠動脈が血栓で詰まり、心筋が虚血に陥って壊死する仕組みを、「心筋と動脈=作物と水路」というたとえで解説。「水不足が続くと作物は枯れ、再び水を流しても元には戻らない=一度壊死した心筋は生き返らない」という説明で、”time is muscle” の意味を直感的に伝えました。病院到着前に35%の方が亡くなること(日本心臓財団)、院内死亡率8.7%(2023年循環器疾患診療実態調査報告書)など、緊急性を示す数字も提示。発症リスクについては、**丸目自身の論文(Ogata, Marume et al. Circ J 2021)**を引用し、男性は女性の2.7倍、65歳以上で3倍以上に高まることを示しました。

2)心不全 「求められる仕事量が心臓の力量を上回り、無理して働いている状態」と定義したうえで、ポンプ機能が低下した部分の後ろに圧がかかる仕組みを高速道路の渋滞のたとえで説明。日本人の死因第2位である心疾患のなかで心不全の割合が最も高く、患者数が増え続ける “心不全パンデミック” の現状を、**丸目の論文(Marume et al. Circ Rep 2022)**の発症率データとあわせて共有しました。

3)完全房室ブロック 心臓を流れる電気をドミノ倒しにたとえ、心房から心室への伝導が完全に途絶えると失神・臓器障害・死に至る流れを解説しました。

4)手技・デバイスの違い(実物供覧) 本研修で最も反響が大きかったパートです。血栓吸引カテーテル、エキシマレーザー、ロータブレーター、ダイヤモンドバック、バルーン、ステント(DES/BMS)について、実際のデバイスを手に取り、操作しながら実演。あわせて機械的循環補助(IABP/IMPELLA/V-A ECMO)の補助様式・補助流量・呼吸補助の有無を一覧で比較し、ペースメーカー/ICD/CRT/CRTDの適応の違いも整理しました。

5)DPC・算定実務への橋渡し DPC/PDPSの診断群分類(14桁コード)の読み解き方を示し、「心筋梗塞(0030)か狭心症(0050)か」「手術コード03に含まれる経皮的冠動脈形成術」といった具体例を通じて、医学的な理解がそのまま日々の入力・点検の精度につながることを示しました。

参加者の声と満足度

研修後アンケート(有効回答123名)では、全項目で高い評価をいただきました。

  • 資料の分かりやすさ:「とてもわかりやすい」88名(71.5%)+「わかりやすい」33名(26.8%)=121名(98.3%)が満足
  • 研修内容の理解度:「十分に理解できた」65名(52.8%)+「理解できた」58名(47.2%)=受講者全員(100%)が理解と回答。否定的回答はゼロ
  • 職場での有用性:「かなり役に立てそう」61名(49.6%)+「役に立てそう」58名(47.2%)=119名(96.7%)が有用と回答
  • 講義の進め方:「ちょうど良い」122名(99.2%

ソラストさんからご共有頂いたアンケート結果資料の抜粋

参加者の声(抜粋)

「実技がすごく役立ちました。実際に見ることで、材料の算定を行うときの漏れにも気づけそうだと感じました。」

「農耕地の水路の例え、ドミノの例え、水道のホースの例えなど、心臓の働きと病状をわかりやすく伝えていただきとても分かりやすかったです。循環器は病院の稼ぎ頭でもあるので、今日のような研修を多くの社員が受講して知識として蓄えれられれば安定した業務を履行でき、病院の信頼も得られることと思います。」

「長年循環器内科の請求業務を行っていますが、どのデバイスがどんな役割をして、どのように使用するのか詳しく知るタイミングがなかったので、今回実物を見ながら学習することができ、より理解を深めることができました。」

「心筋梗塞と狭心症の違いも理解でき、楽しくレセプト点検できそうです。」

「発症からの入院経過をすっきりとまとめていただけたことで、目標に挙げていただいていた、各病気での治療の流れや主義の違いが本当に分かりやすく、あっという間の90分でした。」

「事務職にも分かり易くご説明いただき、誠にありがとうございました。(中略)機会がありましたら、再び講義いただけますと幸いです。」

また、研修後には15件を超える実務上の質問が寄せられ、ECMO・IMPELLAの回路構成、ST上昇型/非ST上昇型心筋梗塞のカルテからの読み取り、症状詳記と査定対策、シースイントロデューサーの複数使用など、日々の業務に直結する内容について丸目が個別に回答しています。「次回も是非参加したい」「またこのような研修があれば参加させて頂きたい」というお声も多数いただきました。

ソラストさんからご共有頂いたアンケート結果資料の抜粋

感謝とお礼

この度は多くの皆さまにご参加いただき、誠にありがとうございました。運営にご尽力いただいた関係者の皆さまにも心より御礼申し上げます。

循環器病は国民病であり、対策すべき社会問題ですが、その対策を進めるためには、まずは普及を十分に行う必要があります。そして、医療現場を支えるのは医師だけではありません。今回のように、診療報酬請求という形で医療に参加されている皆さまが疾患の理解を深めることは、算定の精度向上にとどまらず、医療機関全体の質を支える力になると考えています。

引き続き、講演やセミナーを通じて循環器病の普及に貢献して参ります。