ずぼら栄養学

脱水と心臓病:予防とリスク管理のための実用的なアドバイス

皆さん、こんにちは。心臓病との闘いは、日々の生活習慣を見直すことから始まります。その中でも、一見単純なようで意外と見逃されがちな「水分補給」について、今日は、その重要性を再確認しましょう!

循環器専門医マル

暑い季節となり、脱水への注意喚起の意味も込めて記事をまとめます。ここでは、脱水が引き起こす可能性のある心臓病とその予防法、そして適切な運動の重要性について説明します。

こちらの記事の抜粋をyoutube で1分でまとめています。

脱水と心臓病のリスク

1. 低血圧

低血圧とは、血圧が通常よりも低い状態を指します。脱水が原因となる低血圧は、血液量が減少し、心臓が必要な血液を体全体に送り出すのが困難になるためです。症状としては、めまい、立ちくらみ、意識不明、冷や汗、息切れなどがあります。治療は原因によるので、脱水が原因であれば、水分補給や食事での塩分摂取を増やすなどが効果的です。

2. 血栓症

血栓症は血液が固まり、血管を塞ぐ状態を指します。この血栓が心臓や脳の血管に飛び血管の血流を妨げると、心筋梗塞や脳梗塞といった深刻な状態を引き起こす可能性があります。また、エコノミー症候群として有名な肺血栓塞栓症は足の静脈にできた血栓が、肺の動脈に飛んで詰まる病気です。いずれも命に関わる病気です。脱水は血液が濃縮し、血液が固まりやすくなるため、血栓症のリスクが増加します。この病気の予防には、水分を十分に摂ることや定期的な運動が有効です。

3. 狭心症

狭心症は、心臓の筋肉(心筋)への血液供給が不十分になると発生する病気です。主な原因は、冠動脈が動脈硬化で狭窄し、心筋に十分な酸素が供給されなくなることです。しかし、脱水により血液量が減少すると、心筋への血液供給がさらに悪化し、狭心症の発症や症状の悪化を引き起こす可能性があります。狭心症は胸痛や胸の違和感、息切れなどの症状を引き起こします。これらの症状が現れた場合、直ちに医療機関を受診する必要があります。また、狭心症の予防には、血圧とコレステロール値の管理、喫煙の停止、適度な運動、バランスの良い食事などが重要です。

脱水予防と適切な運動の重要性

心臓病の管理と予防において重要なのは、脱水を防ぎつつ適切な運動を維持することです。ここでは、そのための具体的なアドバイスをいくつかご紹介します。

定期的な水分補給

まず、定期的な水分補給が重要です。しかし、一度に大量に水を飲むのではなく、小さなステップで一日を通じて水分を摂取することを心掛けましょう。また、運動や暑い気候下での活動など、体から水分が多く失われる場合は、より頻繁に水分を摂取することが重要です。

難しい事に水の飲み過ぎは心臓への負担に繋がります。冬場よりも夏場の方が水の飲む量は増やすべきですが、飲み過ぎにならないように、定期的に体重が増加していないかチェックするといいと思います。

適切な運動

次に、適切な運動が心臓の健康を維持する上で重要です。しかし、脱水を気にしすぎて運動量を減らすことは逆効果です。運動は、血管や心臓の機能を高める効果があります。

しかし、適度な運動とはどの程度のことなのでしょうか?

それは、20-60分の軽度から中程度の運動を週に5回以上行う事が推奨されています(心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン)。

散歩や軽いジョギング、スイミング、ヨガなどが楽しめる運動を行えばよいと思います。夏場はスイミングなどいいかもしれませんね。運動目標脈拍を定めたり、自分に適した運動プログラムを作成することが重要です。

適度の運動量の目安についてはこちらの記事も参考にして下さい。

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運動中の水分補給

さらに、運動中も適切な水分補給を心掛けることが大切です。運動中は、体温調節のために汗として体から水分が失われます。そのため、運動前、中、後に十分な水分を摂取することで、脱水を防ぎながら適切な運動量を確保することが可能になります。

まとめ

  • 心臓病との闘いは、日々の生活習慣を見直す
  • 水分補給は特に夏場は頻繁におこないましょう
  • とはいえ、水分の摂り過ぎにも注意!体重が増えすぎないかなど確認しましょう
  • 脱水を恐れるあまり運動量が減る事もいけませんよ。
  • 脱水を防ぎながら適切な運動量を確保しましょう!

皆さん、心臓の健康は私たち自身の手に掛かっています。脱水のリスクを理解し、適切な対策をとることで、より健康的で、より快適な生活を送ることができます。あなたの心臓があなたにとって最も重要な資源であることを忘れないでください。心臓の健康を維持し、最善の状態で生活を楽しんでください。

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